COO Message

2010年3月期は、主力業態の復調とネット通販の伸長等により、創業以来21期連続増収と4期ぶりの増益を達成しました。
今後は、「収益体質への転換」から「持続可能な収益体質の確立」を目指すとともに、「高感度ファッション専門店グループ」として、お客様に高付加価値を提供してまいります。

2010年3月期の業績・取組みを総括していかがでしたか?
創業以来21期連続増収、4期ぶりの増益の達成
2010年3月期は、それまでの3年間で急激に悪化した収益構造を早期に改善すべく、さまざまな取組みに注力してまいりました。
営業の概況としては、MD改革の進捗により、主力の「ユナイテッドアローズ」「グリーンレーベル リラクシング」が秋冬シーズンから回復傾向にあること、「ゾゾタウン」等のネット通販が大幅に伸長したことが全体の売上をけん引しました。
収益面では、商品の調達・生産から消化までの一連の流れを管理する商品プラットフォームの利活用による売上総利益の改善と徹底したコスト管理が功を奏し、一定以上の成果を上げることができました。
これらの結果、創業以来21期連続増収と4期ぶりの増益を達成しました。消費環境は厳しいものでしたが、従業員の危機感や一体感がそれに勝り、正しいことを実行すれば必ず成果が出ると確信した実りのある1年間でした。
今期(2011年3月期)を最終年度とする中期経営戦略の進捗状況と、その達成に向けた今期の取組みを教えてください。

収益体質への転換」から「持続可能な収益体質の確立」へ
今期は3ヶ年の中期経営戦略「ドリームプラン2011」(下図参照)推進の最終年度です。前期までの取組みにより収益体質への転換が果たせたことから、今期は再成長への足場を固めつつ、収益性をさらに改善させながら増収増益を目指します。以下の取組みを推進することで、「ドリームプラン2011」の課題解決につなげます。
今期は基本販売政策の再徹底と商品・販売部門の連携強化を進めることで、お客様満足の向上と売上計画の達成を目指します。具体的な売上成長策として、既存店とネット通販の継続的な成長を図るほか、「グリーンレーベル リラクシング」と子会社㈱コーエンが展開する「コーエン」の2ブランドを成長エンジンと位置付け、適切と判断した範囲で新規出店等の重点投資を行います。この2ブランドは比較的こなれた価格帯で商品を展開しており、価格志向の高まりが追い風となって、昨年秋頃から堅調に進捗しています。それぞれオリジナル企画商品比率の高いセレクト編集型、SPA(※)型のビジネスモデルであるため売上総利益率も高く、収益面においても大いに貢献するものと考えています。
利益向上策として、商品プラットフォームの利活用推進に加え、オリジナル企画商品の生産効率を改善し、ブランドごとに最適なSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)体制を構築します。その上で最適な品ぞろえのバランスを追求する基本商品政策の再徹底を行うことにより、さらなる収益性の向上を目指します。
人・組織面においては、あるべき業務の標準化を行い、引き続き人員体制の適正化・業務効率の改善を図ることにより、生産性の向上につなげます。
私は今期を再成長への助走の年と位置付けています。永続的に収益を創出していける組織・仕組み作りに尽力し、後年に振り返ったときに2011年3月期は再成長モデルの完成年度であったと語り伝えられるような1年にしたいと考えております。

(※)SPA(Specialty store retailer of private label apparel)製造から小売まで一貫して自社で行うこと。

株主還元と目標とする経営指標についての考えをお聞かせください。
連結DOE4.5%前後を目標とする配当の実施とROE12%の達成を目標に
利益配分に関する基本方針として、株主価値の極大化を経営の重要課題と認識しております。このため、増配・株式分割、自己株式取得ならびに消却等の方策による株主還元を行うとともに、株式市場での評価を高めることで株式時価総額の向上=株主価値の極大化を図ります。
また、経営環境や業績の状況等を勘案し、今後の新規出店投資ならびに成長事業への設備投資資金に充当するために必要な内部留保とのバランスを配慮しながら、株主の皆様に対する利益還元の充実を目指します。
配当に関する基本方針として、単年度の利益水準に関わらず安定的な配当を実施するため、株主資本配当率(DOE)基準を導入し、連結DOE4.5%前後を目標に配当金額を決定します。今期2011年3月期の利益配当金については、中間配当金:1株につき10円、期末配当金:同16円、年間配当金:同26円(予想連結配当性向48.89%、予想連結DOE4.47%)とさせていただく予定です。
中期的な経営目標としては、2013年3月期に向けて自己資本当期純利益率(ROE)12%の達成を掲げました。持続可能な収益体質を確立しつつ、堅実な利益成長を目指してまいります。
「ドリームプラン2011」推進の最終年度となる今期は、引き続き収益体質の強化を図りながら、「高感度ファッション専門店グループ」として、お客様に高付加価値を提供してまいります。ぜひご期待ください。
株主の皆様には、引き続き当社の経営方針にご理解をいただき、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

インベスターズガイド2010「Interview of the President」より